polpettine al cumino
最近イタリアでは料理に彩りを添えるより、そのものの色を
楽しもうといった傾向がみられることがあるのだとか。
イタリアンパセリの緑やトマトの赤などで、風味には関係ない
色を添えるのはやめようということですね。
もちろん、それらが色だけでなく味や香りに重要な役割を持つ場合は別です。
特に表現したいのが『茶色の美しさ』なんだとか。
私が中学生のときに、母が持たせてくれるお弁当が渋い茶色のおかずが
多くて、女の子としては赤や黄色が入ったかわいいお弁当を持っていきたい
と主張したことがあります。冷凍食品を使ってもいいからと嘆願したの
ですが、『美味しいと思うものしか入れない』母は、頑固に渋いお弁当を
作り続けたのでした。今では、それは最高に美味しいお弁当で、かっこ
よかったなと思います。ほんとに稀ですが自分で作るお弁当は茶色くって、
相方に色を指摘されますが、胸を張って『美味しいんだから』と言ってます。
この料理もそんな茶色の美しさが出た一品ではないでしょうか。
以前dancyuで見かけたレシピなのですが、簡単な上に美味しいので
頻繁に食卓にのぼります。
豚ばら肉の固まりを小さめに刻み、少し多目の塩と黒コショウ、そして
クミンシードを加えて粘りが出るまでよく混ぜ、小さく丸めてエクストラ
バージンオリーブオイルでこんがり焼くだけ。きのこ類を一緒に焼くのが
お勧めです。
塩がよく効いて赤ワインが進みます。クミンシードの香りも大人な感じ。
ポルペッタ(肉団子)といえばトマトソースで煮込むのがメジャーですが、
この塩味クミン風味もとっても美味しいです。ぜひお試しください。
オリーブオイルは風味豊かなプリモリオがおすすめ!